1. 刘亜娜(2005) 「日本の高齢者の介護と家庭」(中訳:「日本老龄者看护与家庭」)

刘亜娜(2005)は、日本は1970に高齢社会に突入し、高齢化率は7%を超えたようであると指摘した。2013年10月1日までに、日本の高齢化率は19%に達すると言っても過言ではないという推測がなされている。それと同時に、1993年の統計データから、当時の高齢者は主に在宅介護をもとに、養老機関の介護をしていた。当時の日本は65～74歳の高齢者を前期高齢者と呼び、75歳以上の高齢者を後期高齢者と呼んでいた。一般的に言えば、後期のほうが世話をされることが多く、彼らは大体病弱あるいは老人性認知症という病状を持った高齢者が多かった。老人を介護するとき、様々な問題が生じる。その中に、女性の方が家庭内で大きな負担を背負うという問題がある。日本の介護は在宅介護と福祉介護に分けることができる。

在宅介護の発展は主に以下の段階がある。まずは第二次世界大戦の後で、日本の民法では、長男は遺産を相続するという権利があり、次男と三男はこのような相続権がなく、親の面倒は全部長男の責任と考えられていた。「全国家庭計画世論調査」によれば、1963～1986年の間、「子供は親の面倒を見るべき」という積極的態度をとる者は全体の７割に達した。親の面倒を見るのは長男ではなく、子供全員の責任になったことが明らかである。また1993年の調査においては、このような回答は50%に減少した。親の面倒を見ることへの意識が明らかに変わっていったことが分かる。

要因を考慮すると、おそらく日本において、戦後から今まで、結婚や家庭の構築などの認識が変化していっているようである。従って、老人への扶養意識は非常に低くなってきていると言える。それゆえ、介護の発展の過程において、主に在宅介護が中心となり、その後、どんどん社会福祉機関と家庭介護を繋げるへと発展していくと言える。

2. 小椋 芳子(2007)「介護概論」

小椋 芳子(2007)は在宅介護の変化過程を述べていた。1960年頃、日本は在宅介護を行ったが、急激に高齢社会となった、子供が少なくなり、徐々に核家族となったため、在宅介護は非常に社会福祉と家庭の介護において大きな役割を担うものに変わってきた。この研究では、主に在宅介護の変化の原因と施策を紹介した。原因として三つがある。第一は、急速に高齢者社会に突入し、子供が少なくなったことである。第二は、女性は家の外に出て働くようになったことである。第三は、核家族化の原因で、結婚した後で、子供は別の家を持ち、親だけが家に残るという状態になったことである。施策として、主に介護保険制度の必要性を述べた。

3. 木野本 はるみ(2016)「在宅介護の現状と課題 : 三重県の現状をふまえて」

三重県を例として挙げ、65歳以上の日常生活に支障のある寝たきりの高齢者や病弱な高齢者に関して、高齢者の在宅生活の向上と家族の介護負担の軽減を図るために、策を講じていたということを指摘した。それと同時に、在宅介護をめぐる問題と既存制度の問題を述べた。そして、最後に施策を述べた。この研究は具体例として、三重県の在宅介護の変化過程を述べ、それにその後施すべき施策を詳しく紹介した。このような例から、今後日本全体は老後の問題に対してどのような施策を取るべきかを考えることができる。

4. 岩田 昇と堀口 和子(2016)「要介護者の性別および家族介護者の続柄別に見る在宅介護の認知評価、対処方略および生活への影響の相違」

在宅介護に関して、性別と続柄に分けて、在宅介護を行う重要性を指摘した。この研究は在宅介護に非常に詳しく分類していると言える。在宅介護をする際に、性別の違いにより異なる役割を果たすと考えられている。37都府県内の83訪問スーションを調査対象にし、在宅介護に属する家庭介護に対する認知評価、対処方略、介護による生活への影響の大半数は意識的相互作用があることを分析してきた。従って、在宅介護に関係がある認知評価、対処方略および介護による生活への影響が要介護者の性別と続柄によって異なっていることが明らかになった。それゆえ、家庭介護者の心理的側面への重要性を重視すべきであると言える。

5. 張衞彬と王姝文(2016)による「日本高齢社会の在宅介護の福祉体系の構築および中国に対する啓発」(中訳：日本老龄人口看护福祉体系的建构以及对中国的启发)

中国は現在高齢社会が急速に進んでいると言っても過言ではない。この現状に対して、日本はこのような問題にどのように対応したかを自国の状況も考慮に入れつつ、学び取らなければならないと主張している。日本の在宅介護の問題は徐々に深刻になってきた。特に家庭介護の衰弱および応対施策は中国にどのような影響を与えたか調査しているため、啓発になるとも言える。在宅介護の問題に対する福祉体系の構築は解決方法であると思う。日本の取った方法は福祉と家庭介護を繋げたのである。この点は中国の在宅介護の現場に対する啓発となるといえよう。

参考文献：

【1】刘亜娜(2005)「日本の高齢者の介護と家庭」

【2】小椋 芳子(2007)「介護概論」

【3】祁峰 薛忠义（2010）「日本の在宅介護の発展および中国に対する啓発」

【4】中尾　治子「在宅介護における医療#12539;福祉の連携ー介護殺人事件を手がかりとしてー」

【5】木野本 はるみ(2016)「在宅介護の現状と課題 : 三重県の現状をふまえて」

【6】張衞彬と王姝文(2016)「日本高齢社会の在宅介護の福祉体系の構築および中国に対する啓

発」

【7】岩田　昇と堀口　和子(2016)による「要介護者の性別および家族介護者の続柄別に見る在宅介護の認知評価、対処方略および生活への影響の相違」

【8】山本　純子、島　内節、安藤　純子、金 澤寛（2015）「在宅終末期の療養開始期における高齢者を介護した家族による満足度#12539;介護継続意思に関連する訪問看護サービス調整の要因」

【9】桐野 匡史、出井 涼介、中島 望、實 金栄、松本 啓子、柳 漢守、中嶋 和夫（2014）「在宅で高齢者を介護する家族の介護関連デイリー#12539;ハッスルと援助要請行動の関係」

【10】小林 哲也（2014）「介護保険サービスの利用とその地域性 : 在宅介護の3本柱を中心に」