朱子学が徳川幕府の正統思想になる原因について文献综述
2020-05-26 20:47:45
文 献 综 述
1. 島田 虔次 (1967) 『朱子学と陽明学』岩波新書
この本は「新しい哲学の出発」「宋学の完成#12539;朱子学」「陽明学の成立#12539;展開」「儒教の反逆者#12539;李贄(李卓吾)」の四章からなり、あとがきと折り込みの思想家年表が付いている。全篇で漢文書き下し文やその現代語訳が引用されながらの議論で、理解を助ける図表もいくつか載せている。
内容といえば、韓愈をその先駆者として周濂渓#12539;程明道#12539;程伊川#12539;張横渠などの思想を宋学の発展と見て概説する第一章から、朱子が先学の理論を取捨選択して朱子学を完成し、陸象山がその取捨され形成された学説に異を唱える様子を解説した第二章、朱子学が王朝の学となって固定化したことやその思想に異を唱えて陸象山の説を継ぎながら陽明学を立てる王陽明の思想とその継承者の思想を辿った第三章、陽明学の思想を突き詰めて儒道仏の三教一致にまでいたった李卓吾の思想を示した第四章と、時間的推移に則って、政治#12539;社会の変化にも目配りした議論が続いていく。それを追っていくと、朱子学の生まれた経緯、朱子学から陽明学へと受け継がれた部分と受け継がれなかった部分、陽明学が陥っていく必然的な変質について理解できるようになっている。
2. 土田 健次郎(2014)『江戸の朱子学』筑摩選書
この本は、表題どおり江戸時代の朱子学を基本としながら、中国における朱子学の基本的な歴史#12539;文脈、さらに朝鮮における朱子学も視野に収めれていて、この関連は非常に面白い。個人的には朝鮮朱子学に関心があるのでその側面と、中国近世における口語文献や清朝での考証学などの側面がもっと掘り下げて書かれている。
朱子学が江戸中期、後期から興隆し、さらに明治時代まで影響している強い側面を実証的に描いている。当然のことながら、教育勅語における朱子学的な側面についても、抑制的であるが言及されており、従来紋切り型で語られてきた皇国史観的について修正を検討するのに役立つ。また、室町時代からの医学と儒学の関連、神道、仏教との関連もわかりやすいパースペクティブで描かれているためになる。『神皇正統記』を著した北畠親房が真言宗の僧侶であるといった指摘も、『真言内証義』を著したことから当然であるが、朱子学との関連の視座で見るとはっとさせられるものがある。
3. 刘星(2011) 《论朱子学官学化的原因》 河南师范大学硕士论文
第一章は、官学化の原因を考察するために、朱子学は日本の伝入と官学化の過程を
簡単に説明する。まず、古代から儒学は日本における発展状況を紹介し、朱子学がど
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