摘 要

松本清张是日本现代社会派推理小说的代表作家，他的小说深受中国读者的欢迎。松本清张重视在人物关系和人物命运发展中设置悬念，对人性与社会进行挖掘；在立足形象性格剖析的基础上，展现社会与人生的图景。

《砂の器》结合日本经济高度增长的社会背景，将主人公和贺英良的心理上升至一种社会性的代表心理，在描写人物对命运抗争的同时，对战后伪善的社会也进行了不留情面的批判。

《点与线》一书采用倒叙的手法，前半部分从犯人角度描写犯罪过程，后半部分从侦探的角度写案件的侦破过程。小说通过复杂的人物关系的构建揭示了案件背后的社会现实。

《黑色皮革手册》以20世纪七八十年代日本社会为背景，塑造了游离在社会边缘的女性原口元子，同时塑造了参加参议院选举却被大肆攻击的政要遗孀、不屈从于男权社会压制的市子与波子几个典型的女性角色，反映了在父权制社会下，女性面临的困境与现实阻力。

本论文第一章阐明了研究目的与意义，并对国内外先行研究进行了整理；第二章对三本小说的女性人物进行分析；第三章主要围绕三本小说中的主要男性角色以及这些男性人物性格和行为背后的社会动因展开细致分析；第四章从小说人物出世的欲望入手，分析人物欲望背后的立身出世主义，并且通过分析近代日本社会的女性歧视问题、腐败问题与小说犯罪案件的关系，印证小说的社会性特征。最后，对前面内容进行总结，并指出本研究存在的问题与未来的研究方向。

关键词：松本清张;社会派;人物群像；立身出世主义

要 旨

　社会派推理の先駆者松本清張は［世界推理三大師匠］と言われている。清張の小説はトリックの巧さより、犯罪動機に社会性を加えて、社会問題を批判する。中国では清張研究は民俗学、また清張の文学界の地位から探索し、その一方で、日本では、清張の作品に関する研究は様々な点から展開されてきた。

　本論文は先行研究を基づいて、清張の最も代表的な作品『砂の器』、『黒革の手帖』、『点と線』を例として、小説の人物像を通じて、そこに共通する人物の特徴を考えながら、松本清張の小説の魅力を新しい視点から解読したい。また、松本清張の小説は主に非エリート階層の小物の犯罪と心理を描く物語である。本論文はこのような登場人物像の分析を通じて、その裏の社会の実相を接近しようとする。

　本論文の第一章では研究目的と意義を明らかにする。また、国内と日本の先行研究を整理する。第二章では『砂の器』、『点と線』、『黒革の手帖』の女性人物像を協力者、被害者、共犯者、犯罪者など四つに分類する。また、第三章の中に男性人物像の分析を通して、人物出世の欲望を探ろうとする。第四章では登場人物と若者の出世の欲望、汚職問題、差別問題など社会問題の関係を明らかにする。最後に本論文の結論や足りないところと今後の課題を述べる

キーワード: 松本清張;社会性;人物像；立身出世主義；

目 次

はじめに 2

1.研究背景と先行研究 2

1.1研究目的と意義 2

1.1.1研究動機と目的 3

1.1.2研究意義 3

1.2先行研究 4

1.2.1 国内の先行研究 4

1.2.2日本の先行研究 4

2.松本清張の推理小説における女性キャラクター 5

2.1自分を主張しなくて、犯人を協力する女性たち 6

2.1.1 気の弱く、男性に頼る女性―『砂の器』：成瀬エリ子と三浦恵美子 6

2.1.2 情死を偽装された「小雪」の女中―『点と線』のお時 7

2.1.3計画をリードする共犯者―『点と線』の安田亮子 8

2.2経済と精神は二重独立女性 9

2.2.1独立精神をよく体現した犯罪者―『黒革の手帖』の原口元子 9

3.松本清張の推理小説における男性人物 10

3.1 過去の自己を隠そうとして犯罪を行う―『砂の器』の和賀英良 11

3.2 出世主義の為に愛人を殺した―『砂の器』の関川重雄 11

3.3腐敗した官庁を利用して、大金を転げ込んだ安田辰郎 12

4.小説と戦後の日本社会 14

4.1 近代日本の「立身出世」主義 14

4.1.1『砂の器』における出世の欲望 14

4.2 近代日本の汚職問題と差別問題 15

4.2.1『点と線』前における日本の汚職問題 15

4.2.1『砂の器』におけるハンセン病の差別問題 16

4.3.1男性優位現象と女性の独立精神 17

参考文献 20

謝 辞 21

松本清張作品における人物像について

―『砂の器』、『黒革の手帖』、『点と線』を例として

はじめに

社会派推理の先駆者と言われる松本清張は、アーサー・コナン・ドイル、アガサ・クリスティとともに、［世界推理三大師匠］と言われ、江戸川乱歩、横溝正史ととも［日本推理文壇三大高峰］と言われる。松本清張の小説は動機や背景等設定による深い人間洞察を得意とした、と評価されている。動機を主張することが、そのまま人間描写に通じるように思われるのである。。犯罪動機は人間はぎりぎりの状態に置かれた時の心理から発するからである。本論文では松本清張の三つの代表的な作品を中心に、作品に登場する犯人と犯人に協力する人物に焦点をあて、考察する。本論文は小物たちに切実に実感されるような社会の実相を社会性の視点から探ようとするのである。

1.研究背景と先行研究

1.1研究目的と意義

　松本清張は現代日本の名高い小説家である。推理小説、歴史小説、評論など色々な文学分野に大きな足跡を残した、その中に社会派推理小説の先駆として最も高く評価されている。また、ほかの推理小説に比べ、松本清張の小説はトリックの巧さをあまり重視しない、犯罪動機に社会性を加えて、社会問題を批判する。

1.1.1研究動機と目的

　長編小説『砂の器』は松本清張の代表作であり、ハンセン病患者への迫害という社会問題を背景として、和賀の殺人事件を書いた。本論は小説の人物の裏に隠れた血統観念、若者の立身出世の欲望などを分析したい。

　『点と線』は『旅』に連載された本格的な長編推理小説である。社会派推理は世に広く喧伝されたのは『点と線』を発売された以後のことである。『点と線』の中には、権利欲が強い安田辰郎だけではなく、夫に従って犯罪を協力する妻安田亮子と情死の道具としてのお時もその時代の特徴を反映した。本論では、そのような小物の絶望と厳しい社会を反映したい。

　『黒革の手帖』は『点と線』と『砂の器』の女性キャラクターの協力者のイメージは全然違う、ただ一人で犯罪を決行する女性たちは登場する。主人公元子を通して、二十世紀七八十年代日本の女性は臨んで窮地をある程度に明らかにしたい。

1.1.2研究意義