付き合いからの授受表現の応用分析(人际交往中授受表现的应用分析)文献综述
2020-04-13 13:42:25
文献综述
まず、日本学者の文献を紹介する。次に、中国学者の文章を紹介する。
一、日本学者の文献
水野かほる氏の「日本語授受表現に対する中国語話者の認識」の要旨は中国語を母語とする日本語学習者にとり、従来のような誤用という観点ではなく、日中の授受表現の相違と理解という面から中国語話者の日本語授受表現と述べている次に、この文献の粗筋を紹介する。物事と人や行為の移動を表す表現を授受表現とか、「やりもらい」表現というが、これを表す動詞には、「やる、あげる、差し上げる」「くれる、くださる」「もらう、いただく」の三組七種類があり、これらの動詞は本動詞として、また、「~てあげる」「~てくれる」の形で補助動詞としても用いられる。これらの表現は授受表現という一つの事柄を表すのに七つの形を使い分けねばならず、非常に複雑である一方で日常頻繁に使われるところから、外国人日本語学習者にとっては難問の一つであると言える。
次に、荻野千砂子氏の文献「授受動詞の視点の成立」を紹介する。まず、現代語授受動詞「くれる、やる、もらう」は一つの纏まりをなし、非敬語形と敬語形、本動詞とて形+補助動詞の対応を持つ。この三語は授受の方向と動詞主の人称が定まっており、話し手の視点を持つ。しかし、古代語の三語に話し手の視点はない。なぜ視点が生じたのかという考察は、管見の限りない。そこで今回、古代語の本動詞だけでなく、て形+補助動詞の初期の諸相に注目する。「する」と「てくれる」は依頼、「てやる」は意志、「てもらう」は願望という特定のモダリティで多用されている。意志文「私が~てやろう」、願望文「私が~てもらいたい」では主格が一人称になる。依頼文「私に~てくれ」は与格に一人称がきて相手に恩恵を乞う表現となる。この文献は近代語授受動詞の体系化に、て形+補助動詞が独自の役割を果たした可能性に言及する。
門和沙日那氏の「日中対照研究 授受表現」を紹介する。この文献は、日本語の補助動詞「~てあげる、~てやる、~てくれる、~てもらう」に対応する中国語の”给、请、让、得到、要、领受、接受、拿到”などの先行研究を通じて例文の比較のみにとどまり、両者の違い、または中国語母語話者が日本語を習得する際に関わる補助動詞の使い分けの問題点の深い分析までには至らなかった。今後は、それらの問題点を取出し、最終的に中国語母語話者が日本語を習得する際に、補助動詞をより正確に身につけるにはどう教えたらよいかについて考えることを今後の課題としていきたい。
二、中国学者の文献
周莉莉氏の文献「授受関係における上下方向性日中比較」を紹介する。日本語の授受表現が中国人学者を困らせる一つの原因は、敬語と非敬語の区別がある日本語複雑な授受表現体系だと言ってもよい。日本語授受表現と中国語授受表現を比較した結果、複雑な授受動詞体系を持つ日本語授受表現と違って、中国語の授受動詞には、体系的な敬語#903;非敬語の区別、身内へ#903;よそものへの区別がなく、与える動詞である「給」しかないと述べている。確かに、日本語には「くれる#12539;くたさる」、「やる#12539;あげる、差し上げる」、「もらう#12539;いただく」といった七つの授受動詞があり、体系的に非敬語か敬語かに分かれながら、日本社会では盛んに使用されている。敬語と非敬語の区別があるからこそ、恩恵が上から下へといくか、下から上へと移動するかという上下の方向性が、日本語授受関係には現われてくるのである。しかし、中国表現には授受動詞「給」自体がそういう区別がないので、単に動詞そのものからみれば、上下の方向性がないと言ってもよいのである。
寧寧氏の文献「言語表現から見る日中文化の相違」を紹介する。第1章では、日本語学習者が授受表現の習得の困難に関して検討する。日本人が相手との人間関係を重視して話していることを明らかにする。つまり、内外意識と上下意識から生じた内外関係と上下関係が行為で表現されるばかりでなく、言語でも明確に表現される。日本語学習者の学習と習得状況を考察する。次の段階、第2章では、日本語母語話者と学習者のコーパス資料を用いながら、双方の使用実態から見られる特性を浮き上がらせていく。また、先行研究では言及されていない日本人同士が日常生活の授受表現に関する使用実態についての考察を加える。それらを踏まえ、第3章では、授受表現に内包される各自の文化の行動様式や価値観の相違を明らかにしている。
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