１．「日本動漫中的”言霊信仰”現象研究』 （王　安麗（2010）西南大学）

この文章はアニメにおいて「アニミズム」という現象を研究して分析した。まず、帰納法で「アニミズム」の主な内容を纏めた。そして、その現象はアニメの中に現れる原因を分析し、奇異で幻想的なシーン、怪異なキャラクターと先祖崇拝の三つの方面から総括し、アニメと「アニミズム」のより深くの関係を把握した。その上、代表的なアニメ作品は例をとして、アニメの文化的な意義を深く掘り下げた。

2.「アニメに現れる日本の宗教――アニメにおいて宗教的要素が果たす役割」（柏　啓太（2010）　東京外国語大学）

この文は2つの章で、アニメにおいてどのように宗教的な要素が現れ、どのような役割を果たすかをみてきた。第1章では宮崎駿監督の作品である「となりのトトロ」と「もののけ姫」を取り上げた。この2作品では、トトロの森とシシ神の森などの厳粛とした森や、トトロやシシ神などの動物神が登場した。これらは日本古来より存在する自然崇拝の精神を反映したものであった。宮崎駿の作品に登場する原始的な宗教的要素は、自然を敬う心を忘れてしまった現代人に対して、自然と共生することを説く彼の主張の一部として機能していた。第2章では深夜に放送される、アニメファンにターゲットを絞ったアニメ作品である「かみちゅ」と「かんなぎ」を取り上げた。この2作品では神道の概念を基にした様々なキャラクターや神道用語が作中に登場した。これらの宗教的な要素は、物語やキャラクターに視聴者の目を引くような特徴を付けるために使われているので、制作者からのメッセージ性は少ない。しかしながら物語に神道の概念や用語を持ちこむことは、視聴者に神道や日本の神々に対する親近感や興味を抱かせ、宗教について考えるきっかけを与えるものであった。

3.「表現与変异#8212;#8212;原始神道与日本動漫」（陳　紅波　（2012）景徳镇陶瓷学院）

この文は原始神道とアニメの融合を中心にして研究した。原始神道は「原始宗教の一つである」ともされ、世界各地で人が社会を持った太古の昔から自然発生的に生まれたもので、いわゆる教祖と教義がないので、この文は原始神道の思想と形式の二つの立場から見て、例を挙げて分析する方法で、自然崇拝、精霊崇拝、先祖崇拝および神社の文化的な象徴、三種の神器などがアニメの中に表現して変化するのを一つ一つ論証し、変化の理由を得ていた。また、中国のアニメと日本のを比べ、不足を少々指摘していた。

4.『日本の神道』（津田 左右吉（1970）岩波書店）

この本は日本の神道がどのような性質を持っているか、どう形成したか、どのように変化していたか、また、思想の発展史にどのような影響を与えていたか、を巡って考察した。特に、中国の思想は日本の神道に与えていた影響をその本の主な内容とし、歴史の事実に基づき、作者の津田左右吉は深くの研究を行い、中国の思想の中にどの要因をどんな方法で日本人に摂取されたか、そして、日本人の慎重な生活の中にどのような役割を果たしていたかを考察した。学術的な価値が高いものと思われる。

5.『国家神道』（村上重良（1970）岩波書店）

国家神道は、近代天皇制国家が作り出した国家宗教であり、明治維新から太平洋戦争の敗戦まで80年間、日本人を精神的に支配しつづけた。本書は、国家神道の成立から解体までの過程を詳細にたどり、その構造と思想を分析して本質的性格を明らかにすることによって、神道が日本人にとっていかなる意味をもったかを追求する。