「無縁社会」問題は日本ではすでに社会問題になり、学者にもいろいろ研究されている。山本和興と平松優太（2013）は東京のような大都市の現状をめぐり、無縁社会とコミュニティの再生を考察している。山本氏は「血縁」「地縁」「社縁」という三つの「縁」をもとに「無縁社会」の成因を紹介し、「自助」「共助」「公助」の概念を踏まえて、「共助」の強化と地域コミュニティの意義を提起した。そして、東京の現状について、地域から孤立する可能性と孤独死の状況を紹介し、実施した各種の都民意識調査データを分析し、「地域コミュニティ」活動を考察した。最後に行政の課題を論じた。

高明（2016）は高齢者の社交孤立と「無縁死」、若者の間に孤独者、終生未婚者数の増加、「無縁社会」による新しい産業の誕生といった面から無縁社会の現状を紹介し、「血縁」「地縁」「社縁」といった三つの縁から無縁社会の成因を分析し、最後に政府、社会、個人からの解決策を紹介している。

先行研究は「無縁社会」の現状や成因をめぐって考察するものがほとんどである。本文は先行研究に踏まえ、文化の面とも結びついて「無縁社会」という現象を分析する上、今後我が国も「無縁社会」が社会問題になる可能性があると主張し、日本による中国への示唆を探ってみようとする。本研究を通して、日本の社会現状を知り、我が国の発展においても有益な示唆を提供できると思う。

2. 研究的基本内容与方案

基本内容：

いま、「無縁社会」は日本をはじめ、一部の先進国では社会問題になり、注目されている。本文は日本の「無縁社会」問題に着目して、その現状を紹介し、その成因と日本政府による「無縁社会」への対策を分析する。そして、今後我が国も「無縁社会」が社会問題になる可能性があると主張し、日本による中国への示唆を探ってみようとする。

以上を踏まえ、次のことを明らかにすることは目的である。

①日本の「無縁社会」の現状

②日本の「無縁社会」の成因

③日本の「無縁社会」への対策

④日本の「無縁社会」が中国への示唆