まず、孤独死の定義を説明したい。

服部哲朗（2012）「地域社会は孤独死のセーフティネットとして機能できるか」によると、原内閣府の資料では孤独死に関する説明が「誰にも看取られることなく息を引き取り、その後、相当期間放置されるような悲惨な孤立死（孤独死）」と表現されている。

また、松下育夫は「単身生活者であり、亡くなる際に誰にも看取られず、しかも一定期間発見されないで放置されていた死」と定義している。

今や孤独死は単身者だけの問題では亡くなってきているが、「主に単身者が誰にも看取られることなく死亡するケース、特に死後すぐに気付かれないケース」というのがおおかた共通した見解である。

そして、孤独死の原因については、日本では、服部哲朗（2012）「地域社会は孤独死のセーフティネットとして機能できるか」によると、一、単身世帯の増加、二、村落的生活様式から都市的生活様式の転換、三、コミュニティの変化、近所づきあいの減少、四、格差問題という四つの原因がある。

中国では、張岩、徐俊（2016）「農村老人世帯”孤独死”現象分析及び対策研究」によると、孤独死の原因は一、国家政策及び人口高齢化、二、家庭構成と居住方式の変遷、三、社会類型の転換による地縁社会関係の崩壊、四、社会と外れる単独個体になることなどが挙げられる。

要するに経済の急速な発展につれて、生活様式、生産方式がさまざまな変化をもたらした。

比較してみると、中日の孤独死の原因はほぼ同じであることがわかる。

また、孤独死の現状について、森田沙斗武ら（2016）「高齢者孤立死の現状と背景についての検討」によると、日本では高齢化が大きな社会問題となっており、65歳以上が人口の25.0％を占める。

さらに近年、一人暮らし世帯の割合が著明に増加している。