不満表現とそれに対する応答の中日対照(中日不满表达及其回应的策略比较)文献综述
2020-05-06 16:50:48
文 献 综 述 ①初鹿野阿れ#12539;熊取谷哲夫#12539;藤森弘子(1996)「不満表明表現ストラテジーの使用傾向-日本語母語話者と日本語学習者の比較-」日本語教育88:128-139 初鹿野他(1996)では、日本語母語話者と日本語学習者の不満表明行為を比較するため、談話完成テストをもちいて調査を行い、その分析から日本語での不満表明行為を表出する際のストラテジーには一定の型があること、また日本語学習者は用いる型に幅があることが示されている。
この研究において、複数の対人の場面で、不満を感じるか、また感じた際の行動を尋ね、相手に不満を直接言う場合、なんというかという談話完成テストを行った。
場面には病院の待合室でタバコを吸う隣人に対して、待ち合わせに遅れた友人に対して(初めての遅刻/再度)など八つの場面が設置された。
なお、言語行動によって、どのように不満を表明するかというストラテジーについて、次のように分類された。
すなわち、⑴改善を求める(a直接#12539;b間接#12539;c相手が破った行動期待の提示)、⑵命題を示す(a行為や状況の提示#12539;b結果の提示#12539;c暗示)、⑶原因の問いかけ、⑷確認、⑸警告や非難、⑹代償の要求、⑺感情の表出である。
⑴と⑵における下位分類は、aからcに向かってより間接的#12539;暗示的である。
また、不満表明行為は、単一あるいは複数のストラテジーの組み合わせによって成り立つ。
結果として、ストラテジーの使用傾向は全体的に類似しているが、日本語学習者には、より間接的、より暗示的なストラテジーを用いる傾向がある。
それに対して、日本語母語話者には好ましくない事態を起こした原因#12539;理由を問うストラテジーをもちいるけいこうがあることが分かった。
ストラテジーの連鎖型では、母語話者と比べると、日本語学習者の用いた連鎖はバリエーションが多かったことが言える。
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